探訪日:2022年12月初旬
はじめに
北関東だと12月になると、もうだいぶ気温も下がり、登山は厳しい季節になってきています。
そこで少し足を伸ばして、温暖な千葉県へ小旅行に行ってきました。
「清澄山」は極真空手の創始者、大山倍達先生が山籠りをされた場所として有名です。最初は険しい山だと思って、ザックに登山靴、トレッキングポールなど通常の登山装備で向かったのですが、そんな必要は全くなかったです。
大山倍達修行の地
千葉県鴨川市、清澄山付近の市営駐車場に車を停めて、そこからは歩いて目的地に向かいます。
公衆トイレもありました。
上記のお散歩マップのほとんどを見て回ることができました。②は気付かず見過ごしてしまったようです。
目的地まではやや坂道になっていましたが、距離は近かったです。
5分くらい歩いたでしょうか。
ドライブイン重兵衛。ここが目印になりますね。
左のバス停沿いにハイキング道があります。
展望台へのハイキング道。
道標の側面には「極真空手発祥の地」の文字もありました。
ハイキング道もそんなに長くはありません。
あっという間に登りきってしまいました。
こんなところで登山靴&トレッキングポールを使う人は、自分以外にいないでしょう。
極真空手の創始者、大山倍達先生の石碑がありました!
一度石碑が台風で倒れたため、令和3年に新たに建て替えられたようです。
大山倍達
地上最強の空手家。
9歳の時に中国人の老人に手ほどきを受け、空手の道に進む。
24歳で空手の日本チャンピオンになり、さらに世界一を目指して、拳ひとつの武者修行の旅に出た。
ある時はアメリカの強豪レスラーをマットに叩き伏せ、ある時は巨大な猛牛を一撃の元に仕留め、ある時はギャング団の殺し屋を束にして料理する。
先進文明国の諸悪と対決し、それを打ち破ってきた男。
ヨルダン国王フセイン陛下、俳優ショーン・コネリーなども門下生になっている。
(戦後)日本人は一様に「武」という言葉に罪悪感を抱いていた。連合軍の占領政策が、それに追い打ちをかけるように、精神的な面まで「戦犯」の名で徹底的に破壊しつくしていたのだ。
──大山倍達先生の著書より──
銅像まで戦犯に指定するといった状態で、”一億総懺悔”の時代に、なお日本武道に光明を求めようとした、一人の若者が、千葉の山を駆け巡って武者修行をしていたのである。人々はみな、私のことをキチガイと呼んだ。
大山倍達先生は、1年半この清澄山に山籠りして、空手の修行を行われました。
それも敗戦直後、食糧難の時代。
他にも山梨県の身延山でも山籠りを行われています。
なのでいつか身延山にも行きたいと思います。
参拝を済ませると、日本人としての誇りと勇気が身体にみなぎってきました。
続いて、清澄寺に向かいました。
展望台から山づたいの道を歩いたので、正門ではなく、裏門のようなところから入っています。
清澄寺
清澄山の麓にある、広いお寺。
日蓮宗の大本山。
こちらが本来の正門のようです。
スロープの道もあるので、車椅子の方にも対応していると思われます。
この日は、12月の千葉としては冷え込んだ日でしたが、北関東と比較するとかなり暖かったです。
清澄寺の本殿に参拝します。
定番の「旅の無事と健康」を祈っています。
参拝の後は、目立たない通り道を抜けて、清澄山に向かいます。
清澄山
別名「妙見山」とも呼ばれ、千葉県で3番目に高い山です。
それでも、標高は377mです。
12月というのに、まだ紅葉は始まりかけでした。北関東の山間に住む自分からすると、これは驚きです!ここまで時間差があるとは思いませんでした。
清澄山はとても登りやすい山でした。
ちゃんと階段も作られていますし、まず迷うこともありません。
あっという間に山頂に着きました。
写真を撮りながら歩いても、ものの5分といったところです。
低山というよりかは、学校の裏山のようなイメージでした。
大山倍達先生がきっとこの辺りでも修行されていたのでしょう。そしてこの木々はそれを見守っていたことでしょう。そう思うと感慨深くなってきました。
ただ、ザックやトレッキングポールまで準備する必要は全くなかったです(笑)。
再び、清澄寺に戻って、まだ見学していない場所に寄って行きました。
スロープの展望台にあったのは、日蓮聖人の銅像です。
日蓮聖人は、日蓮宗の宗祖です。相次ぐ自然災害や争乱などで混乱を極めた鎌倉時代に生き、幾多の困難に見舞われながらも、強い信念のもと、お釈迦さまの教えを日本で広めた人物だそうです。
展望台からの眺め。
千葉って海のイメージが強いですが、山も結構多いんですね。
さらに足を伸ばして、仏舎利塔まで行きました。
自分のお寺のイメージとはかなり異なったデザインの塔でした。
仏舎利とは、お釈迦さまの遺骨や遺体を指す言葉です。
「南妙法蓮華経」は、この地で初めて、日蓮聖人が唱え出されたようです。
なので、南妙法蓮華経の生誕の地でもありますね。
おわりに
清澄山は思っていたよりもサクッと登れる山でしたが、登山ではなく参拝として行くなら、歴史もあり、とても良い場所だと感じました。
そしてやはり、千葉県は暖かったです。