富士山登山ルート3776(1日目)

8月下旬に、15kgのザックを背負いチャレンジした、標高0mの海からスタートする富士登山ルートの記録になります。
2つある起点のうち、駐車場の広い「ふじのくに田子の浦みなと公園」からスタートしました。




2022年8月29日

ふじのくに田子の浦みなと公園

海岸線沿いにあり、駐車場が広く、富士山が見える展望台もある公園です。
あちこちに「富士山3776」ののぼり旗が立てられていて、PRしていました。

駐車場は8時〜17時まで使用可能。なので早朝スタートができないのが、少し惜しいですね。
公共交通機関で来られる方は、もう一つの起点である「富士塚」からスタートし、自家用車で来る方はこちらの「みなと公園」からスタートするとスムーズです。





スタートする前にちゃんと海にタッチしてから始めたかったので、みなと公園から歩いて海岸に行きました。みなと公園周辺は堤防で囲まれていて海にタッチできないので、テトラポッドの切れ目を探しながら、どうにか海岸に出られる場所に出ました。公園から500mは歩きました。

海にタッチする時、波で登山靴と靴下を濡らしてしまいました。





みなと公園に戻って、富士山登山ルート3776の起点に来ました。





ここでガイドマップとスタンプラリーシートを無人ポストから受け取ります。
スタンプラリーの最初のスタンプをここで押します。

挑戦者識別ステッカーは在庫がなかったのですが、これは無くても特に問題ありませんでした。

実は公式WEBサイトから直接自宅に郵送していただけるよう事前に申請していたのですが、出発前に届かず、現地でもらうことにしたのです。ちなみに後日帰宅後確認した郵送された「挑戦者識別ステッカー」のナンバーは1608番でした。つまり2022年だけでももう1608人の方がチャレンジしていることになります。





9:30 ふじのくに田子の浦みなと公園 出発




せっかくなのでみなと公園内にある展望台に登り、ゴールである富士山を確認します。

この時は不思議とあまり高さを感じませんでした。画面の右の山よりも1000mは高いのですが、遠近感のせいかそこまで差がないように見えました。頂上に全く雪がなかったせいもあるかもしれません。

この時点で「これは登れる…(かも)!」という確信に近い思いが芽生えました。





新鮮な気持ちで出発です。
スタート直後は、暑くもなくちょうど良い気候でした。歩いているうちに暑さが感じるようになるのですが、8月も末頃となれば、暑さの中にも少しだけ爽やかさもありました。





この青地に白文字のマークを目印に歩いていきます。富士市街は割と頻繁にマークがありますが、進むにつれてマークの間隔が広がっていきますので、念の為YAMAPの富士山3776専用ルートの地図をダウンロードしていくと良いと思いました。







しばらく歩いていくと、工事中で通行止めになっている区間がありました。
前田袴線の人道橋というところです。
令和4年10月28日まで通行止めだと看板に記載がありました。





少し戻ると、迂回路の地図看板がありました。土地勘がないため見逃していたようです。





迂回ルートを通って、本来のルートに戻ってきました。
江戸時代後期に設定された「村山道」というのもあるんですね。





まだ標高7.3m。
先は長いようです。

ちなみに月曜日は図書館やミュージアムはお休みなので、そこのトイレは使えません。公園の外トイレやコンビニなどを使用することになります。





市街地は大型ザックを降ろしてゆっくりできるような場所がなかなかありません。
ようやくバス停のベンチを見つけて、一休みします。





ルート3776上にある最後のコンビニ、セブンイレブンです。
ただこれから先も自販機はいくつかありました。それに富士山の登山道にも自販機はあるので、水分に関してはそんなに心配しなくて良さそうです。





市街地を抜けると、2番目のチェックポイント、よもぎ湯の看板が見えました。





13:30 よもぎ湯

2番目のスタンプを押します。
ちなみに、こちらの民宿「よもぎ湯」の他に「農家民宿やまぼうし」という場所にもスタンプが用意されています。

ガイドマップでは、ここが1日目の終着点ですが、自分の場合は1日目と2日目を1日で歩く計画ですので、さらに先に進みます。





よもぎ湯を超えると、車の交通量もだいぶ減りました。





静かになって、少しずつ山道に近づいているのが分かります。





山神社です。
基本的に山で神社を見かけたら、安全祈願のために参拝するよう心がけているのですが、さすがに余力がないため鳥居に一礼して先に進みました。

写真に残すのを忘れましたが、この先にある大渕公園で休憩を取りました。
森林組合のトラックの出入りもそれなりにあるため、昼間に利用する時は少し気を付けないといけないですね。


大渕公園で休憩中に、今晩の宿泊地であるキャンプ場に遅れる可能性がある旨を電話で伝えました。まだこの段階ではキャンプ場の受付時間19時に間に合いそうではあったのですが、なるべく電波の良いうちに連絡をしておきたかったのです。そしてこれは正解でした。





大渕公園から少し行くと、「NINOMARU village」という休憩所があったので寄っていきます。ここは社会福祉法人の福祉施設らしいです。

15:50 NINOMARU village







3角形のシェルターのような山小屋がありました。
面白い形をしています。
こういうのを「Aフレーム」と呼ぶのでしょう。





三角ハウスの側面。興味深いデザインです。





【富士山の雪解け水】
富士山からの湧水です。これは飲むしかありません。
ちょうど空のペットボトルがあったので、その中に汲みました。

富士山の型の壁に、福祉施設の人たちが手がけたタイルアートがアクセントになっていて、柔らかく温かい印象を受けます。





富士山の雪解け水の成分表です。生で飲用できるのが嬉しいです!
バナジウムも入っています。





バナジウム天然水のパワーでさらに登り続けます。





雨が強くなってきました。土砂も少し流れ出しています。





久しぶりに休憩ポイントがありました。休憩ポイントは本当に少ないです。
ベンチに荷物を下ろしたかったのですが、濡れているためそれができず。
雨宿りする場所もないため、せっかくですが、素通りするしかありません。





雨も強くなる一方です。





今度は東屋を発見!
屋根付きの休憩スポットは非常に珍しいです。これまでのルート上で初めてでした。
疲れてもいたし、この東屋で野宿したい気持ちでした。しかしもうすでにキャンプ場の予約もとっていたし、翌日の行程が長くなってしまうため、まだここで休むわけにはいきません。





東屋で休憩中に、ふと折り畳み傘を持ってきていたことに気付きました。この辺りは広い舗装路で、風も強くないため、折り畳み傘が大活躍してくれました。





車が通行止めの区間にきました。これまでも交通量は非常に少なかったのですが、これから先はもう車が来る心配すらありません。





この辺りの区間は水捌けが悪いようです。
登山靴もかなり濡れました。場所によっては、くるぶしまで水に浸かることもあります。

人も車も全くいない舗装路を、土砂降りの中延々と歩き続ける──。そんなホラー映画のような体験ができました。





使われていない古い公園(?)がありました。
もうここで野宿しようか?という悪魔のささやきが聞こえてきます。
しかし、疲れた体に鞭を打って歩き続けます。

ここから先は、日が暮れてしまい、ヘッドライトを付けようとしたのですが、なんと接触不良のためかライトが点きません。土砂降りの中色々試していると、ヘッドライトの電池蓋の中に水が入ってしまいそうで、モタモタはしていられません。

そんな時、テントの室内用にソーラーランタンを持って来たことに気付きました。そのソーラーランタンを提灯のように持って、暗闇の中を歩き続けました。

ずっと暗闇の中を歩き続けるしかありません。車が通行止めの道から、普通の道に出ると、今度は猛スピードの車にも気を付けないといけなくなりました。生きた心地がしませんでした。

時折GPS地図アプリのYAMAPで現在地と今晩の宿泊地であるキャンプ場の位置を確認します。少しずつキャンプ場に近付いていっていることが、唯一の希望でした。





ようやく暗闇の中に、明かりが見えました。地図を見て確認して、キャンプ場の明かりだとはっきり分かりました。





19:20 PICA表富士キャンプ場

ピカ表富士と読みます。

なんとか生きてキャンプ場まで辿り着けました。
土砂降りの中、濡れたザックと衣服、汚れた登山靴でも、普通にフロントの方は接してくれました。むしろそういう状態に慣れているようすでした。

通常の受付時間は19時までですので、やはり連絡を入れておいて良かったです。

一通りキャンプ場の概要について説明を受けました。

暗闇の中、ソーラーランタンの灯りを頼りに新しいテントを設営します。
あらかじめ自宅(山小屋)の庭で試し張りをしておいて良かったです。今回が初めての設営だったら、まず無理でした。





テントを設営したら、すぐに無料のシャワー室を使わせてもらいました。バスタオルは持参しました。
温かいシャワーが心地よかったです。

15kgのザックを背負って、この日1日で49810歩も歩きました。後190歩歩けば5万歩突破でしたが、そんな余力はもう残っていませんでした。





ワークマンのフュージョンダウンシュラフで寝ます。
足先が少し濡れていたので、丸まって眠ることになりましたが、疲れていたのかぐっすり眠れました。




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