みなさん、こんばんは。一城ひとまです。
前回は、屋根の合板張りまで進めた記事でした。
なので、今回はそこから屋根の完成までを書いてゆきたいと思います。
まず三角屋根作り手順のおさらいです。
■三角屋根作りの手順
①屋根トラス作り
②棟木入れ
③垂木作り
④野地板張り←前回はここまで
⑤破風板・鼻隠し板打ち
⑥防水シート貼り
⑦屋根材の下地材打ち
⑧屋根材取り付け
完成!!
こんな流れで作りました。
それでは完成までの流れを追ってゆきましょう。
⑤破風板・鼻隠し材打ち
破風板(はふいた)や鼻隠しとは、屋根の側面に打つ板のこと。
雨樋が付く部分が、「鼻隠し」。付かない△部分に貼る板が「破風板」。
⑥防水シート貼り
屋根作りも、合板張りまで終えると、一見これで屋根の形には見える。
けれども、このままだと板と板の隙間から水が入るし、雨に打たれ続けるうちに、合板が腐ってしまうだろう。
そこで、この上に防水シートを貼る。
この防水シートは、防水透湿シートとも言われていて、雨などの水は防ぐけれども、湿気は通してくれる。蒸れることなくカビ対策にもなるシート…と言われている。
防水シートを下から屋根に貼っていくわけだけど、これは風のある日にやったので大変だった。
風のない日にやれば良かったんだけど、この時期(5月上旬〜中旬)は、午前中は風がなくても午後には強い風が吹くこともあった。梅雨の到来も心配だったため、多少の風でも仕方なしと強行した。
苦労はそれだけではなかった。
自分の持っているタッカー(巨大なホチキスのような工具。防水シート等を止める道具)が特殊なタイプだったらしく、タッカーの替え針がホームセンターで売っていないのだ。
元々タッカーに付属していた専用針だとよく止まったのに、市販の針を使ったら、サイズが小さいのか、打つところからポロポロとこぼれてしまう。それでも、無理やりトリガーを引き続けると、今度はジャムる(挟まる)し…。
タッカーを新たに購入すれば良かったんだけど、変なところでケチな自分はこの使いづらいタッカーを使い続けた。
タッカー自体あまり使わないものだし、せめてこの小屋を完成させるまでは、今のタッカーを使い続けようと変に意地になってしまった(今ではとても後悔)。
⑦下地材打ち
防水シートの上から、屋根材を貼るための下地材をビス止め。
使用したのは30mm×40mmのアカマツ材だったかな?たぶん。とりあえず安めの材だった。
材をビス留めすると防水シートに穴が空くけど、これは仕方ない。その穴は材で隠れるだろうし。
でも、この下地材のおかげで足をかける引っ掛かりができ、屋根に登る恐怖心が幾分かは抑えられた。それでも怖いことには違いないが。
屋根作りの恐怖はやった者にしか分からない。こればかりは。
コスパを追求した小屋を作って命を失ったんじゃ元も子もない。絶対に死ぬわけにはゆかない。大怪我をしてもいけない。そういう気持ちで作った。作業ペースは落ちたけど、安全第一だ。
屋根材を貼るための、下地が完成した。
⑧屋根材
いよいよ最後の屋根材。これが雨の最初の防衛ラインであり、最大の防衛ラインでもある。今までの屋根作りはこの屋根材を載せるためにある。逆にいえば、この屋根材さえきちんと載せることができれば、雨漏りの心配はなくなるだろう、たぶん。
屋根材には、
「オンデュリン クラシックシート(グリーン)」
を使った。
70年の歴史のあるフランス製の屋根材。
材質も耐久性がありそうだったし、この味のある深緑色が気に入ったので、こいつに決めた!
ただ、新品のオンデュリン クラシックシートからは独特な匂いがする。
ゴムとは違うけど、ゴム臭いような感じの、特殊な匂い。
一度に10枚以上を車に積んで運んだら、当分その匂いが染み付いてしまった。
それでも時間が経てば、匂いは消えるけど。
屋根設置後もしばらく匂っていた。
そして次に厄介なのが、屋根材のカット作業。
カッターで切れるという情報があったけど、「ウソコケ(苦笑)」と思った…。
波打っているから電ノコでも切りづらい…
新品のノコギリなら切りやすかった…と思いきや、1枚切ったら歯に屋根材のゴムのような材質が挟まって、ノコギリのギザ歯が完全にフラットになってしまった。これは扱いづらい材質だった。
仕方ないので、ノコギリで切って、歯につまった屋根材のカスを取りながら、少しずつ切っていった。
でもその分、耐久性はありそうに感じられた。カットしづらいけど、今後も使ってゆきたい材質ではある。
真っ直ぐにビスを打つため、水糸を利用した。
屋根材を貼る時は、下地材が見えなくて苦労する。この水糸をピンと張って、下地材にビスが当たるための目安とする(それでもズレてしまうんだけどね)。
屋根材は下からビスで止めていく。
ビスの間隔は、張り合わせ箇所によって違ってくるので、公式ホームページやパンフレットを見て参考にした。
このオンデュリン クラシックシートには、屋根の頂上部分のパーツ、棟カバーも売っている。その他にもいくつかパーツがあるので、自分の屋根面積に応じて、使い分けができるのが良い。
上画像は間違ったやり方(汗)。本来は下段の横一列を終えてから、上の段の列を貼っていくんだけど、自分の場合はあまり屋根材を踏みたくなかったし、下地材が見えなくなるのが不安だったため、ちょっと変則的な貼り方をした。
出来てきた、出来てきた。屋根からの景色も良い。
ビスは専用キャップで蓋ができる。
この屋根材の側面部分(ケラバ)も苦労したところ。何せ屋根材が硬いから、力一杯折り曲げてビス留めする。高所だったし、片手じゃ力が入りにくいので、F型クランプで屋根材を固定してから、ビス留めしていった。
屋根材貼り、完成!!
また一気に小屋らしくなってきたぞ。白い防水透湿シートがチラチラ見えるけど、気にしない。
脚立がぐらつくので、綺麗にカットするのが難しいのだ。それにまだ外壁が済んでいないので、わずかでも雨を避けてくれる防水透湿シートがかかっている方が良いと思った。見栄えは悪いけど…。
軒下部分。屋根材の下には雨樋を設置予定。
最初は雨樋を設置する予定はなかったけど、雨樋がないと、屋根材から落ちる雨で、軒下の泥がはねて外壁が汚れてしまうのだ。
屋根のついた小屋を遠くから見たようす。
ブルーシートが汚く見えるけど、屋根ができるまでは、このブルーシートが小屋を雨から守ってくれていた。
緑の屋根が自然に溶け込んでいて、イイ感じ!
屋根さえできれば、もう小屋が濡れることはない。嵐は別だけど。
屋根ができてからの安心はたまらなかった。
おわり