水平出し(小屋作り3)

みなさんこんばんは。一城ひとまです。

突然ですが、みなさんはセミリタイヤしたいですか? 


僕はしたいですねえ。

お金に苦労することなく、自分のペースで創作活動やら、起業やら、小屋暮らしなどしたいです。



司馬遼太郎さんの「国盗り物語」だったかの本に、

「この世に仕事ほど面白いものはない」

という一節が出てきました。


みなさんはどうでしょうか?



この世で今やってる仕事が一番面白いと思いますか? そうでないならセミリタイヤ。あるいは自分で起業したいと思ってしまいますよね。起業家の9割は失敗するでしょうが…。それでも自分一人の食い扶持くらいは、自分のやりたい仕事で稼ぎたいですよね?


はい! 以上、前置きでした。





さて、前回は山小屋の寸法出しを行ったので、今回は水平出しです。

何もない傾斜地の山でどうやって水平を生み出すのか!?
最初は自分もどうやるのか知らなかったけど、知った時は神の叡智に近付いたほどの衝撃を受けた。

それは…



水、だ!



この地球上の自然界には水平も垂直も存在しない。

ただ一つ、水を除いて…。



水は平らと書いて、「水平」。

やっぱり古代の人は偉大だ。水は常に水平なのだ。

山小屋建設のための水平出しは、水見式水盛り式という方法を使う。

水盛り式とは、

水は常に水平、そしてもう一つの水の性質も利用して、基準となる水平を作り出す方法。

そして、そのもう一つの水の性質、それが、サイフォンの原理


水を移動させる時、チューブ管(サイフォン)の中を水で満たせば、出発点よりも高い位置を乗り越えて移動させることができる。そして水が移動した先は、出発点の水位と同じ高さでピッタリと止まる。

これがサイフォンの原理と呼ばれる。

※図は、地面が平坦地の場合



チューブを水で満たすのは、ストローのように口で吸ってあげれば良い。自分の場合は直径10mmのチューブを使ったので、一気に水を吸い込むのは不可能。休み休み吸った。チューブを移動させたい時は、チューブに空気が入らないように穴を指でふさげばOK。

ただバケツにチューブの先を突っ込むだけだと、ちょっとした拍子ですぐに抜けてしまうので、ホースの先端をクリップや洗濯バサミで固定するといい。



この水盛りの方法を使えば、出発点のバケツの水位と同じ高さで、チューブ内の水位も一定となる。

そしてその基準の高さを杭に記してあげればよい。

前回打ち込んだ全部の杭に、基準線を書き記せばOK。
バケツの水位の高さが1m(1000mm)だとすれば、この杭に引いた基準線は、そのバケツと同一の水平線上の高さとなる。

あとはこの基準線を目印にして、杭に横板を打ち付ける。この杭に板を付ける作業を、「遣り方(やりかた)」と呼ぶらしい。遣り方のやりかたって、混乱しそう(笑)。

なぜ横板を張り付けるのか? これは今後、基礎石を並べたり、土台を作ったり、小屋の寸法を正確に測ったりする時に役に立つのだ。

とはいえ、小屋建設予定地に、一周グルリと横板を打ち付けてしまうと、内側に入る時にわざわざ横板をまたがなくてはならなくなるので、適度にスキマを開けて、打ち付けてゆくのがミソ。


これでとりあえず、水盛りと遣り方の完成!

横板が水平を表している。手前に比べて、奥側がかなり地面が傾斜していることが分かる。整地の時点で小まめに水平を確認しておけばよかった…。





基礎作りはまだまだ続く。地道な作業が多いのだ…。

小屋作りはまだほんの序の口、これから多くの苦難が待ち受けているのだが、それはまた今度の話。



おわり



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