これから自作の小屋を作りたいと思っている方も多いと思いますので、参考になればと思い、実体験を共有したいと考え記しておきます。
先日、役場の家屋調査員の方が2名で山小屋に来られた。
家屋調査とは、家を新築した場合、固定資産税が課税されることになり、その税額を算出するための現況調査のことである。
自分が新築した家は自作の山小屋。
まずは山小屋の部屋数を尋ねられた。これは事前に電話での問い合わせがあり、日時の案内の際に聞かれた。
もちろん一部屋。
一部屋ということもあったのか、調査員の方が現地に来られた時は、山小屋の室内には立ち入らなかった。大きな掃き出し窓越しに室内が内覧できるためだったのかもしれない。
次に窓とドアの寸法を測った。一人がメジャーで測定し、一人が図面に記入する。長い距離は二人で測定された。
さらに、山小屋の外寸の測定。縦と横と高さ。高さは手のひらサイズのレーザー距離測定器を使用されていたように覚えている。
この後、山小屋の屋根の角度を測った時も、このレーザー測定器を使用されていた。便利な道具だ。
「屋根の素材(材質)」も尋ねられた。自分の山小屋の場合はオンデュリンクラシックシートだ。鉄製か樹脂製かを知りたかったようだ。
山小屋の床下も少しの間だけど、確認していたようだったので、もしかしたら基礎の確認をしていたのかもしれない。自分の場合は、羽子板付き束石を使用している。
それから、屋外シンクのサイズも測定されていた。これもレーザー測定器を使用したのだったかな?
さらにトイレとシャワールームも確認されていた。トイレは自分で簡易水洗トイレを設置し、ウッドデッキの端に合板で囲ってスペースを作った。シャワールームはヤフオクで半自作のボックスタイプを購入。トイレやシャワー器具そのものより、壁を確認されていた。

ウッドデッキスペースを固定資産税の対象にするかどうかで、少し考えられていたが、ここは対象外ということになった。
ウッドデッキとはいえ、ポリカ波板で屋根を作り、ビニールカーテンを壁のように張り巡らせて、防寒対策を施していたのだ。この「ビニールカーテンを壁と見なすかどうか」が引っかかったようだ。でもこれは壁扱いされずに済んだ。もしビニールカーテンではなく、ポリカ波板を張っていたらひょっとしたら固定資産税の対象になっていたのかもしれない…。
鶏小屋は完全にスルーだった。よかった。
こんな流れで、自作小屋の家屋調査は終了した。
今度は土地の方の調査。
ここはもともと山林だったのだけど、自分が山小屋を建てたことで税制上は「宅地」扱いになる。これは本当に宅地になるのではなく、あくまで税金の支払いの場合。
しかし、さすがにこの広い山林を全て宅地にするのは、役場としても気の毒に思ったのか、一部を宅地にして、残りはこれまで通りの山林のままとし、土地を二分割することになった。これは本当に二分割になったのか、それともあくまで税制上なのかは分からない。教えてもらったと思うけど忘れてしまった…。
調査員の方が大きなメジャーで測定し分割する。ちゃんとした測量器を使ったら、何十万もかかってしまうからだ。
最初は切り株を目安に分割してもらおうと思ったけど、あんまりキッカリ測定すると、後で調査員の方が図面を作る時に大変だろうと思ったので、キリの良い長さで長方形に近い台形で分割してもらうことにした。14mとか8mとかそんな感じ。
宅地の面積は覚えていないけど、10m×10mくらいかなあと思う。ひょっとしたらもっと広いかもしれない。ニワトリ放牧場も含めているので。
固定資産税がいくらになるのかは、5月中旬に通知で届くということなので、まだまだ先の話。
以上で調査員の作業は完了した。
固定資産税は、毎年1月1日に存在している建物について発生する。で、この1月1日に建物が存在しているのかの確認はどうしているのか疑問だったので、調査員の方に尋ねてみた。
自分は上空写真を撮影してそれで判断するのかなと思っていたのだけど、それは違っていた。
固定資産税対象の確認は、次の以下だそうだ。
・登記簿の確認
・調査員の調査
・タレ込み
普通は家をローンで買ったり、新築したりすると登記を行う。この登記などの情報で大体は把握できる。
しかし、登記しない物置小屋なんかは調査員が見て気付いた時に、対象になる。
それ以外にご近所のタレ込み、つまり、密告があるのだそうだ。
ちなみにこの密告がわりと多いらしい…。
今回来られた調査員もタレ込みの電話を受けたことがあるという。
怖いなあ…。
そしてこのタレ込み防止のために、家屋調査をした家は家屋調査済みのシールがもらえる。これを貼ればご近所に変に疑われずにすむそうだ。ただこのシールは、特に貼らなければならないというものではなく、任意。オシャレな家のデザインに合わないと思って貼らない人も多いとのこと。
いやあ、それにしても今の時代にもタレ込みがあるなんて…。ある意味小屋暮らしの闇の一つかもしれない。
まあでも、これで家屋調査も終わったし、胸を張って小屋暮らしを行うことができる。
自作小屋の家屋調査はこんな流れで進んだので、今後小屋暮らしを始めたい、小屋作りをしたいという方の参考になれば幸いです。