美しい高原 (美ヶ原高原ロングトレイル 3日目)

はじめに

松本市主催のロングトレイルの3日目の記録になります。
1日目はほとんどが移動。2日目は最初の山「戸谷峰山」から「美ヶ原自然保護センター」まで歩きました。
3日目はいよいよ今回のロングトレイルのメインとも言える、美ヶ原が舞台です。




ロングトレイル3日目

2022年5月29日(日)

7:00 起床

標高2000mでのテント泊は、5月下旬でも冬のように寒かったです。そのため夜中はなかなか寝付けず、ようやくまともに眠れたのは明け方になってからです。なので早寝したわりには起床は遅めになってしまいました。
朝食を食べて、テントを撤収しようと外に出ることには、日がだいぶ高く登っていました。




8:00 ロングトレイル再開

出発の前に、美ヶ原自然保護センターの自販機でペットボトルドリンクを2本購入しました。少しでも水分を多く持ちたかったので、500mlではなく600mlほどの増量された麦茶などを購入しました。


タワーのようなものが建っている方角へ向かいます。ホテルがあるようです。標高2000mのホテルなんて、従業員も大変そうですね。


後ろを振り返ると、広大な景色が広がっていました。画面右の建物が先ほどまでいた美ヶ原自然保護センターです。


9:00 王ヶ鼻

本日最初の名所に到着。
今までのトレイルコースはほとんど人がいなかったのですが、この美ヶ原高原ゾーンに入ってからは、多くのハイカーで賑わってました。この日が日曜日だったこともあると思います。


王ヶ鼻からの景色。
見晴らしの良い眺めです。北アルプスにはまだまだ雪が残っていますね。


来た道を少し戻り、分岐点から次のチェックポイントを目指します。


すごい景色です。日本とは思えない自然風景ですね。写真だと横広がりがなくパノラマ感と臨場感が伝わらないのですが、実際は写真の数倍の見応えがありました。


9:30 王ヶ頭 登頂

「おうがとう」と読みます。
標高2034mの美ヶ原の最高標高地点です。
今回のトレイル中最も高い場所に到達したことで、肩の荷が降りた気がしました。この後は気分的に少し楽になれました。


王ヶ頭からの景色。ちょうど鳥が写り込みました(笑)
やはり長野県は山が多く、アウトドアには持ってこいの場所ですね。


王ヶ頭ホテル。ここに自販機があります。この自販機で購入したドリンクに限りゴミを回収してくれるという張り紙がありました。そこで、自販機で買ったドリンクを空のペットボトルに移して、そして購入したペットボトルを回収してもらいました。ゴミが少しでも減って助かりました。


美ヶ原の看板。
まさに美ヶ原。美しい高原。名前そのままですね。
名付けた人のネーミングセンスが光ります。


高い木が生えていなくて、広大な原っぱといった感じです。


こんなに標高の高い場所に、トレイルを整備した方達に感謝です。
そのおかげで、美しい景色の中を歩くことができているので。


柵の中に牛がいました。こんなに広い面積で放牧されていると牛達も心地よいと思います。標高が高い分、冬は雪も相当積もると思うのですが、積雪の間牛達はどこにいるのか興味深いですね。


美ヶ原高原ロングトレイルと中央分水嶺トレイルは、一部同じコースを通ります。なので、中央分水嶺トレイルの看板もありました。しかしこちらは前者に比べて、目印が極端に少なかったです。地図がないと迷ってしまいそうです。

ちなみに今回のロングトレイル中、スルーハイクを行っているハイカーに出会ったのは1回だけでした。その方は中央分水嶺トレイルに挑戦されていました。自分と同じように水の補給に苦しんでいたので、やはり美ヶ原周辺は、水の入手が極端に難しいのだと思います。今回のトレイル中に出会ったスルーハイカーはその方1名のみでした。


美しの塔。
本来の美ヶ原高原ロングトレイルのスルーハイクのコースから、ほんの少しだけずれるのですが、せっかくの名所なので見ることにしました。
コースからずれていると言っても、5〜10分余分に歩くくらいです。


この美しの塔はただのオブジェではなく、遭難者の簡易シェルターとして建てられたそうです。
中はコンクリート壁に囲まれた、がらんどうになっています。


11:20 烏帽子岩

立て看板の奥に見える岩がそうです。
烏帽子岩への標識がほとんどなかったので、だいぶ迷ってしまいました。最短ルートで行けば、もっと時間を短縮できたと思います。



今度は、次の目的地となる「茶臼山」を目指します。

美ヶ原高原ゾーンを離れると、ハイカーが少なくなりました。
ただハイカーではなく、トレイルランナーを数人見かけました。超軽量の荷物でかなりのハイペースで登っていきます。みな細く若い男女の方達でした。逆にザ・山男というタイプの方には全く出くわさなかったです。ガッチリタイプよりもスリムタイプの方がハイカーには多いようです。


13:10 茶臼山 登頂

標高2006m。
たしかここでお昼を食べたと思います。といってもカロリーメイトとかシリアルとか、そんな簡易的な昼食です。


茶臼山からは下りになります。しかし下りは下りで足への負担が大きいですので、下りだからといって楽になるわけではありません。


茶臼山からの下りの途中、大きな赤い屋根の建物が見えました。
それがこの先の扉峠のドライブインだと分かり、売店や自販機で水分調達ができるかもと期待していたのですが、登山口(下山口)付近で出会った地元の方と話をすると、そのドライブインの売店は閉鎖されていて、自販機もないということでした。困っていたところ、地元の方がたまたまドリンクを沢山持っていたというので、冷凍麦茶のペットボトルを1本分けて頂きました。感謝です!

ちなみに、この時のペットボトル1本分の水分がなかったら、翌日ほぼ間違いなく脱水症状か熱中症で道端に倒れていたと思います。ほんの少しタイミングが違ったら、この方達と合わなかっただろうし、合ったとしても話をしなかったら? 水分を余分に持っていなかったら? 自分にとっては奇跡。神の計らいに感じました。
こういう見ず知らずの人から好意による援助を、ロングトレイルでは「トレイル・マジック」と言うそうです。これが人間の魔法です。


扉峠

扉峠からは少しロードになりました。
このロード歩き中、バイクツーリングの集団が50台くらい立て続けに、自分の横を走って行きました。真っ昼間だし見通しが良いから事故にあう確率はほぼないだろうけれど、こういう時は視認性の高い、目立つ色のアウトドアファッションやバックパックにすれば良かったと思いました。


ロード区間は標識が一切無くなるので不安になりましが、しばらく歩いた先にある登山口で再び標識を発見しました。「美ヶ原高原ロングトレイル」の記載はありませんでしたが、目指すべき方角は同じです。


今度の目的地は三峰山です。
歩いている時は西日が当たって暑いのですが、少し休憩すると風が当たって冷えてきます。やはり標高が高いので、夜になったら冷えそうな気がしました。


ある程度登って稜線に出ると、木が全く現れなくなります。この日は天気が良かったのですが、もし雷雨が来たら、雷を避ける場所がないので怖いですね。


17:00 三峰山 登頂

標高1887m。
かっこいい山の標識。
とても見晴らしの良い山頂でした。


三峰山の山頂からの眺め。山、そして山。道に迷ったら確実に遭難しそうです。


三峰山からは、二ツ山へ向かいます。
山頂は風を遮るものがなく、夜は冷え込むので、少しでも標高を下げて、森の中にテントを張りたかったのです。


18:10 テント設営


二ツ山の登山道の路肩にテントを張りたかったのですが、平坦なところには何故か小さくコロコロした動物のフンが大量にまとまってました。やはり動物も平坦なところでトイレを済ませたいようです。

この時点で残りの水は1Lしかありません。そして明日はまだまだ山行が続くし、水の補給はしばらくできません。少しでも水を節約するために、この日は夕食を摂りませんでした。固形物を食べるとそれを流し込むために水が必要になるからです。人間は水は我慢できないけど、食事は余裕で我慢できることを学びました。切羽詰まると人間はサバイバルスイッチが入るようです。




おわりに

美ヶ原はとても良かったです。景色も良いし歩きがいもあるし、危険な場所もほとんどないです。なので初心者のハイキングにはピッタリの場所です。松本市からなら、車で1時間ちょっとで来ることができます。子供から高齢者までこの日も多くのハイカーで賑わってました。
美ヶ原はおすすめのハイキングコースですね!



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